鳩のランチおススメ3選(下書きまで終了。かみんぐすーん)の前に、先日のツーリングのときの話を少し。
10月某日、夫婦2羽でツーリング(自転車)に行きました。
とても天気の良い、ツーリング日和での道行きでした。
10月は暑すぎず寒くもなく、一年で最高のシーズンですよね~
2羽で山の中を駆け抜け、山奥のおしゃれなカフェに入り
美味しいピザを食べ、デザートのケーキを二人で分けっこして楽しみ…
まぁ、こう言うては何ですが、我ら、仲の良い中年夫婦だと思うのですよね
結婚2…ンゲッフ…年、ケンカもしたけど何とか乗り越え
病気にも負けず、大きな事故にも遭わず
無事に今日というその日を迎えられた次第でして…
その日は、結婚記念日の翌日だったこともあって
私はしみじみと委員長に感謝を述べたくなったのでした
ありがとうね、委員長…
今日、この場所を元気で走れるのは、委員長のおかげだよ
そんな話をしたら、委員長は
「え?あぁ、はいはい。うんうん。」
とちょっと怪訝そうな態度を見せつつも
まぁ、和やかにサドルの上でうなづいてくれて。
そんな、穏やかな日曜の午後を過ごしていたのでした。
で。
その数分後。
「・・・委員長。・・・さっき、”ちょっとだけ近道しようか!”って話をしてたけど
なんか、この道、アホみたいに登ってない?」
「え?うーん…うん?そうかな~?そういえば、ちょっとだけ登ってるかも。ハッハッハ」
さらに数分後。
「・・・委員長。ね。これ、ちょっとだけかな?」
「え?あぁ、はいはい。うんうん…ちょっとだけ登ってるね~」
まぁ、
その「ちょっとだけ」の時の斜度は皆様のご想像にお任せしますが
10%は超えてたと思うんですよ。
私の体感なんて、当てにならないっちゃそうなんですけど
でも、8%を下回ってるってことはない。それはない。
私も、瞬間的に15%を超える坂なら登り切った経験はありますが
(いやー、壁だってば!10%超えたら壁だよ!ほんとだよ!!)
いきなり何の心の準備もなく10%級の坂に遭遇したら、ほんと。泣ける。マヂ泣ける。
ランチを食べた直後で胃は気持ち悪いし
頂上まで何キロ走るのか見当もつかないし
新しく履きおろした新品のビンディングシューズは、少し違和感があって痛かったし
っていうかそもそも私、めちゃくちゃ登りが嫌いだし。
なんで?
もしかしてさっきの私の「ありがとうね…」は、フラグだった??
私、なんか余計な「謎坂フラグ」でも立てちゃったかな!?
そんなもの、即座に折るから事前に教えてよーーーーー゚(゚`ω´ ゚)゚
意味が、分からない・・・
たぶん、委員長なりのサービスなのだとは思うのですが(君にとっておきの刺激を用意したよ☆的な)
そんなサービスは一切必要としてなかった貧脚サイクリストの鳩嫁としては
半分ほど本気で泣きながらその坂を登ったのでした。
大人の女も、泣くときは泣くよ。
別に恋の駆け引きをしてる時じゃなくても、いい歳して本気で心肺を追い込まれて吐き気がしそうになったら、本気で泣けるんだよ…ツラス
しかし、後ほど判明したことですが
この時の、「泣きの力走」により、鳩嫁はStravaのQOMを二つほど獲得したのでした。
Strava、っていうのはランナーやサイクリストに人気のコミュニティアプリです。セグメント、っていう指定されたエリアを走り抜けたら、その区間で世界何位だったかを教えてくれるのです。
QOM,っていうのは「世界一速い女性サイクリスト」の称号なんですよね。誰よ、あんなクソ山奥をセグメントに指定したやつwww
(ちな、皆様のご明察どおり、その区間を走り抜けた女性サイクリストは世界で私一人ですwwwつまり、しばらくは不動の世界一位。)
山を抜け、峠の和菓子屋さん(注:前記事でご紹介した『松栄堂』さん)にたどり着き
「まさかガチで泣くほど登れないとは思わなかった。ごめん」
「いいえ。期待されてたより登れない貧脚でごめんなさいごめんなさい」
という不毛な謝罪合戦を繰り広げ
気を取り直して、家路を急ぐ二羽の夫婦。
二つ目の事件は、そんな家路の途中で起こりました。
先ほどの山道でのうっ憤を晴らすかのように、勢いよく下りの快走路を飛ばしていたら
道端に、自転車を押して歩いている女性サイクリストを発見したのです。
私は、(写真でも撮るために立ち止まったのかな?)と思って素通りしたのですが
委員長はトラブルの気配を感じ取り、立ち止まって話しかけていました。
よくよく話を聞いてみると
その女性サイクリストは、だんなさまと二人でサイクリングに来たのだけれど、
途中でだんなさまの自転車がパンクしてしまい、空気入れをもっていなかったため
自転車を押して歩いているということでした。
なお、当のだんなさまは、奥様の自転車を借りて急遽ご自宅に向かい
空気入れをもって引き返してきている最中とのことでした。
奥様は、旦那様が引き返している間も少しでも家に近づこうとし
山の中を何キロも自転車を押して歩いていたという状況のようなのです…ド山のなかでしたからねぇ。自転車屋さんなんて、あるわけもない。っていう山の中だったのです。猿や鹿はいても、自転車屋さんはない。そういう場所。
委員長は気持ちよくパンク修理を引き受け
笑顔で(ビードが高くて涙目になってたけど)チューブを交換してあげてました。
そして「ぜひお礼をさせてください」とおっしゃるサイクリストさんに
「いいえ。このくらい、全然気にしないでください(歯がキラリ☆)」
と笑顔を見せ、名乗りもせずにかっこよくその場を立ち去ったのでした・・・
ウケる。
「いいえ、あっし、名乗るほどのものじゃござんせん」を地で行ったーー!(≧w≦)ウシシシシ
ま、気持ちはわかります。
名前なんて伝えたら、お相手のかた、絶対お礼をしようとしてがんばっちゃう感じの人でしたから(すんごく良い人だった)
困ってるときはお互い様だもん。名乗らずに立ち去るのが善行、ってもんだよね。
私たち夫婦も、過去にそうやって善意の人に救われた経験がいくつもあるので
いまこそ、世の中に善意の恩返しをする場面だよね!って思って。
実に気持ちよくその場を立ち去ったのでした…あの後、彼女は無事に家に帰れたのだろうか??
お礼なんて全然要らないけど、連絡先くらいは交換しておけばよかったかな。無事に帰れたか心配で心配で、委員長なんて禿げそうな勢いで心配してたよww
そんな感じの、ある晴れた日の夫婦ツーリングでした。
委員長、徳を積んだの巻(でも嫁は泣かした日)